決意のきっかけ①

けいた君に出会ったのはもう何年前になるんだろうか。


交通事故で重度の障害を負い、意思疎通も困難で寝たきり状態。それでも自宅で暮らしたい。と言う相談が始まりだった。

お母さんは、けいた君の介護をするため介護技術を覚えたいと介護職員として働き始め、家は改築までし、けいた君を迎える準備をした。

在宅介護サービスの調整や訪問診療や訪問看護の調整も随分苦労した思い出がある。

その時助けてくれた訪問診療や訪問看護の皆さんの献身的なそしてあったかい言葉は今でも忘れられない。

老人介護施設で障害者施設の認可を併せて申請し受け入れ態勢を整えたのも、今思えばよくできたなって思う。


先日お母さんから現況を伺った。けいた君は頑張って懸命に生きている。

順番から言えば、当然先にいなくなるけいた君の両親が、安心して老いていけるような、そんな郡上にしなきゃいけないなって強く思う。


自分が頑張ることも、けいた君が生き続けてくれている証の一つになれたらいいな。けいた君も背中を押してくれているようなそんな気がする。

大坪 隆成

ごまめの足跡